限局性無毛症

細かく分類しますと、無毛症には頭部全体に毛が無いない「全頭無毛症」と、頭部の一部分に毛が無い「限局性無毛症」があります。

 

先天的に全頭無毛になる遺伝性の疾患については前述しましたが、限局性無毛症になる疾患では、脂腺母斑、先天性皮膚形成不全症などがあります。

 

脂腺母斑では、出生時に境界がはっきりした毛の無い部分があり、思春期になるとその部位は次第に黄色くなって、表面がでこぼこに隆起してきます。

 

頭頂部に多く発生するのが先天性皮膚形成不全症で、無毛部分の大きさは1~3cmです。出生時に毛の無い部分がへこんだ病変として発見されますが、出生時にまだ皮膚が潰瘍のままの状態の場合もあります。

 

こうした限局性無毛症では、手術で病変部の皮膚を切除することで無毛部位を無くすることができます。

 

また、マイクログラフト、ミニグラフト法による植毛方法もあります。手術は、局所麻酔後、自分の頭髪の毛根のある皮膚を切り取り、頭皮を毛髪1~2本単位の小片に切り分ける「マイクログラフト」や、3~4本単位の小片に切り分ける「ミニグラフト」で、植毛したい部分に移植します。

 

髪の毛の中の採取部分は、両側の頭皮を引き寄せて縫合するので、殆ど目立ちません。縫合部分に毛髪が生えてこない場合があっても、髪の毛で隠れるので目立ちません。