外陰無毛症

外陰無毛症とは、通常陰毛や腋毛が生える時期になっても発毛しないか、生えても極めて薄いような状態のことです。

 

外陰無毛症自体は人体そのものの健康に影響を与えるものではないが、成人になっても陰毛が生えていないことによるコンプレックスを解消するために、ホルモン剤などを使って発毛させることも可能です。一般的に、ホルモン剤による健康上の心配はありません。ただし原因としては、薬剤や放射線などによる物理的、化学的な原因や、内分泌学的な原因によるものもあり、実際こうした性毛の発育には、甲状腺ホルモンや酵素なども関係し、遺伝的疾患が存在することもあります。

 

遺伝的疾患では、精巣性女性化症のアンドロゲン不応症があります。もちろん特殊な症例ですが、これは染色体は男性型なのに、男性ホルモンであるアンドロゲンに対する受容体が異常で、外見が女性型となるものです。

 

性毛は全く無いか非常に薄くなります。検査と診断ですが、遺伝的疾患の場合は、染色体検査、テストステロンなど血中の性ホルモン値の測定を行い、他の内分泌疾患では、それに関係するホルモン検査を行います。

 

治療は、男性ホルモン分泌不全では、テストステロン剤の外陰部塗布や注射での全身投与を行います。

 

自己免疫性無毛症に対しては、免疫抑制薬の投与や紫外線療法が行われます。しかしながら、アンドロゲン不応症、先天性無毛症に対しては、現在では有効な根本的治療方法はありません。